べにやさんの取り扱っている色とりどりの豆と
気軽にできる料理が満載の本
豆の栽培についてのコラムも興味深い
土地や気候に合わせて自然淘汰を繰り返し、長い間自分の力で命をつないできた在来種の豆は生命力にあふれている。お豆さんと呼びたくなるほど愛おしい。初めてべにやさんの豆を見たとき、色とりどりで模様もさまざま、個性豊かなお豆さんの世界にわくわくした。虎豆やさくら豆、貝豆、紅しぼり、鞍掛豆、パンダ豆などなど、見たこともないお豆さんたちが何種類も並んでいた。
夏は枝豆みたいな味の鞍掛豆で酢大豆を作り、模様が楽しい豆はスープや和え物で目にも楽しみ、お正月には紫花豆をことこと甘く煮て、煮汁はゼリーにしたり、と味も個性豊かなお豆さんたちをずいぶん堪能させてもらっている。
こんなにおいしくて楽しいお豆さんたちはどうしてあまり見かけなかったんだろう?と思ったら、野菜の世界と同様、収量が安定する育成品種が好まれるようになり、収穫に手間がかかるなどの理由から在来種の豆の作り手が今では希少な存在になってしまった。
種が守り継がれなくなったら、もう目にも楽しく、味わい深いこのお豆さんたちは絶滅してしまう。現在残っている在来種もすでに消滅の危機に瀕しているという。ある程度の販路を確保しないと、守り継いでいる貴重な農家さんたちに作付をお願いすることができないので、べにやさんでは在来種の豆畑のオーナー制度も設けている(詳しくはコチラ)。
*べにや長谷川商店さん website&Facebook