原料は地元京都産 無農薬米と湧き水 |
「米酢」と表記できる量の5倍の米を使い、杜氏さんが蔵で醪を作り、昔ながらの静置発酵法でじっくり熟成させたお酢だ。飯尾醸造さんでは、米の自家栽培にも取り組んでいる。
メッセージ入りボトル |
梅干しを漬けるので梅酢があって、お酢はあまり使う機会がないが、ハレの日の料理にときどき使う。魚と富士酢の相性は抜群だと思う。ツンとせず、まろやかなお酢で、酢飯も砂糖なしでおいしくできる。
火入れしていない菌が生きた酒は、酒から酢へと変化して、最後には酢から水になって自然へ還るという話を聞いたことがある。りんごからできるシードルも、ブドウからできるワインも、米からできる日本酒も同じ道をたどる。抗菌、殺菌と嫌われがちな菌だが、嫌われても発酵して自然の営みを司る菌たちは偉いなぁ、すごいなぁと思う。酢ができるのも、菌たちの働きのおかげ。機械化が進んで速く楽にできるようになった現代でも、目に見えない菌たちの働きに寄り添う蔵の人々の職人技と心意気、人間にしか出せない味があると再認した。
●飯尾醸造
https://www.iio-jozo.co.jp/
*補足:マクロビでは、酢は血を溶かす極陰性の食品として避けられているようだ。私は酢が好きなので、料理には使う(いくら好きでも、よくある健康法のように飲む気にはならないが…)。気になる人や、貧血気味の人は、梅酢を使うか、酢を軽く火にかけて陰性のツンとした感じを飛ばしてから使うと良いそうだ。