我が家の洗剤「松」「竹」「海」の「松」は、松の樹液から作られた洗剤。
(左から、50ml、400ml、2l、お徳用18l)
東京・代々木公園で月に一度開かれているアースデーマーケットで、千葉のNPOトージバのブースに立ち寄ったときのこと。薄い琥珀色の液体が再利用の空きペットボトルに入って売られていた。ラベルもついていない。エコを追求した簡素さに、これはほんものという気がした。
松の樹液から抽出された洗浄成分を濃縮した洗剤で、用途に応じた濃さに薄めることで、洗濯だけでなく、シャンプー、食器洗い、洗車など、ほぼオールマイティに使える。洗濯にしかまだ使ったことがないが、好きな精油を入れてシャンプーにも使ってみたい。
天然成分100%なので、排水は98%以上生分解される。石けんかすが出ないので、純石けんよりも水を汚さないそうだ。石けんかすはアオコや赤潮など水質汚染を引き起こすことがある。
原料は、松の樹液からパルプなどを製造する際に副産物として出るトールオイルで、これまでは廃棄されていたもの。松の産地はブラジルで、日本の5倍の速さで成長するためだという。廃棄物の有効活用なので、洗剤を作るためだけに松を伐採したり、プランテーションを作るために熱帯雨林を破壊したりということはない。
天然成分100%を謳う商品は数あれど、原料を生産する際に環境破壊を引き出しているものもある。洗剤の原料になるパーム油は、生態系豊かな熱帯雨林やマングローブの森を伐採してプランテーションにしているケースが多い。特にパーム油は洗剤以外にも食品など用途が広く、企業が足並みを揃えて環境へのインパクトを抑えようと、持続可能なパーム油のための円卓会議が2004年に設立されている(*)。
開発ストーリーも熱い。
●「開発者の横顔―松の洗剤開発物語」
http://www.eco-branch.jp/cn16/cn37/pg178.html
*参照:持続可能なパーム油のための円卓会議
http://www.wwf.or.jp/activities/resource/cat1305/rsportrs/